#01 Zerqon EA(AI搭載・LSTM)を5基準で監査する──評判と販売ページを検証
MQL5 Marketで販売中の「AI搭載」EAを、当研究所の5基準と盛り方8パターンに照らして監査します。公開情報のみ・未購入の販売ページ監査ですが、結論から言うと「開示水準は上位なのに、全損報告がある」という、EA選びの核心が詰まった1本でした。
この手順を確認した環境
- 検証日:
- 2026-08-18
EA監査シリーズの第1回です。 このシリーズでは、実際に販売されているEAを 5つの基準と盛り方8パターンに 照らして確認していきます。
今回の監査は「販売ページの公開情報のみ・未購入」です。 買って動かした検証ではなく、「買う前に販売ページから何が読み取れるか」の実演です。 基準の使い方のお手本として読んでください。
対象
| 項目 | 内容(2026-08-18 確認) |
|---|---|
| 商品 | Zerqon EA(MQL5 Market) |
| 価格 | 299 USD(段階的値上げ制、最終目標 1,499 USD と明記) |
| 訴求 | Deep LSTM ニューラルネットワークを ONNX で統合(=AI搭載EA) |
| 対象 | XAUUSD(ゴールド)/M15 |
| 評価 | 3.37/レビュー31件 |
| 更新 | v22.105(2026-07-24) |
選んだ理由は2つ。「AI搭載」を明確に訴求していること、そして MQL5の売れ筋上位で見かける機会が多いことです。
まず、このEAの開示水準は「高い」
意外に思われるかもしれませんが、先に良い点から書きます。 販売ページには次が書いてあります。
- 非マーチンゲール・非グリッド・非ナンピンの明言
- 全取引にストップロス/テイクプロフィット
- 予想ドローダウンの明記(リスク設定0.005で10%、0.01で20%、0.015で30%)
- 「複数のストップロスが連続することもある」という免責
- リアルタイムのライブシグナル公開(第三者が確認できる実走記録)
- 必要証拠金(600 USD〜)・推奨環境の明記
盛り方8パターンの観点では、 手口4(勝率のからくり)・手口3(下振れ隠し)・手口6(実績の偽装)への 対策が販売者側から先回りされている形です。 正直、この開示水準はEA市場全体で上位1割に入ります。
それでも、レビューには全損報告がある
一方で、公開レビュー(31件)にはこういう報告が並びます。
- 「1ヶ月で300 USDを全損した」
- 「60%のドローダウンになった」
- 「バックテストと実運用が大きく異なる」
肯定的なレビュー(「リスク管理が優れている」)と同居しており、 販売者は否定レビューに検証依頼で応答しています。
さらに、当研究所が2026年7月8日に同じページを確認したときの記録では 評価3.53/15件でした。約6週間でレビューが倍増し、評価は3.37へ低下しています。 時間が経つほど「数ヶ月使った人の声」が混ざり、評価が下がっていく── 選び方の基準5で書いた通りの動きです。
5基準での判定
| 基準 | 判定 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 成績の正体 | ○ | ライブシグナル公開あり(実走記録を第三者が確認できる) |
| 2 再現条件 | ○ | 通貨・時間足・証拠金・レバレッジ・リスク設定の明記あり |
| 3 悪いときの数字 | △ | 予想DDの明記はあるが、レビューでは予想を大きく超える60%DD・全損の報告 |
| 4 仕組みの説明 | △ | 非マーチン等の明言は○。ただし「LSTMが何をどう判断しているか」は確認する手段がない |
| 5 売りっぱなしでないか | ○ | 更新継続(7月にも更新)、否定レビューへの返信あり |
表の○が多いのに、判定を「買ってよい」にできない。ここがこの監査の核心です。
この監査から学べる、一番大事なこと
開示が誠実であることと、勝てることは、別の問題です。
このEAは、盛り方8パターンの多くを「やっていない」誠実寄りの商品に見えます。 それでも全損報告は出る。理由は単純で、 ゴールドのM15という荒い相場で、予想DD通りに収まる保証はどこにもないからです。 リスク設定0.007で「シグナル上のリスクは小さい」ように見えても、 実際の相場急変では連続ストップロスが起こり得ると、販売者自身が免責に書いています。
そして「AI搭載(LSTM)」という訴求部分は、 買う側からは中身を確認する手段が一切ありません。 このEAの判断材料として機能しているのは、AIの部分ではなく、 ライブシグナルと更新履歴という「普通の」開示です。 ──4つの方法で書いた通り、 「AI搭載か」は判断材料から外し、開示と記録で判断する。その実例でした。
当研究所の結論(公開情報の範囲で)
- 開示水準はEA市場の上位。比較対象の「ものさし」として優秀
- ただしレビューの下振れ報告と予想DDの乖離が確認でき、 資金の大半を載せる対象としては確認不足
- 買うかどうか以前に、このページの開示項目を「最低ライン」として 他のEAを見ると、大半のEAがふるい落とされます。それがこの監査の使い方です
購入して実走させる本検証は、検証リストの一部として進めます。
次に読む
→ EAの選び方──買う前に確認する5つの基準 → 危険なEAの見分け方──盛り方8パターン
※本記事は2026-08-18時点の公開情報(販売ページ・公開レビュー)に基づく確認結果であり、 特定商品の購入の推奨・非推奨を示すものではありません。記載の評価・レビュー内容は 変動します。投資判断はご自身の責任で行ってください。
最終更新: 2026-08-18